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医者を超えること-言論の自由

 この著作集に収録されている著作の著作者の何人かは医師である。そのすべてはいわゆる国公立大学医学部出身の医師である。親が医者や金持ちではなく、いわゆる「ぼんぼん」ではない。その一人は親が貧乏だったため、学費免除をとり、入学金十数万円と書籍代数万円と医師免許申請のための収入印紙数万円で医者になったと言う。
 そう。ここまで来ると、一般の方々からはかなりの反感を買っていると思う。金をかけずに医者になったことは、言い方を替えれば、一般の方々の税金を使って医者になったことである。そのような医者は特に一般の方々の医療に尽くさなければならない。遊んでいてはいけない。例えば、こんな著作集の著作を書いていてはいけない。医療をしなければならない。
 だが、それらの医者はもう既に数十年、病院で勤務した。週一の当直だけでなく、土日祝や年末年始の連直もやった。救急もやった。心筋梗塞や脳梗塞の救急だけでなく、自殺企図の救急もやった。ところで、救急部の少なくとも十パーセント以上を自殺企図または自傷が占めるらしい。だからといって、それらを減らす必要があるというのではない。それらの処置をしつつそれら以外への処置が手薄にならないようにする必要が救急部にはあり、スタッフは大変だろうと言うだけである。数十年、そのような救急を含む医療に尽くした医者はもう自由の身になってよいのではないかと言うだけである。
 だが、そのような心情的な理由からだけではない。医者にも一般市民と同じ言論の自由があるはずだ。職業が医者と言うだけで、医療に尽くせ、税金の無駄遣いをするな、例えば、こんな著作集の著作を書くな、というのは職業差別だろう。「自由権」の定義については下記の参考文献のうちの『生存と自由』を参照していただきたい。だが、自由権のためだけではない。
 まだ、核兵器や不変遺伝子手段が残っている。ほとんどの人がそれらの全廃に行こうとしない。それらを全廃する方法については下記の参考文献のうちの『わたしたちの生存ネット日本語訳』を参照していただきたい。自由権、社会権、民主制、権力分立制、法の支配が完全でない。それらの拡充どころかそれらが忘れ去られつつある。それらを拡充する方法については下記の参考文献のうちの『生存と自由(日本語訳)』を参照していただきたい。それらが危いとき、市民の多くが活動しなければならないだろう。自分たちはそのような一般市民の部分に過ぎないと医者たちは言う。
 だが、彼らは言う。それでもやはり誤解され責められる。そこで、彼らは医者の資格を隠し始めた。それどころか個人情報が特定されるものは一切、伏せだした。実名はもちろん大学名はもちろん、ペンネームさえ挙げない。そこまでしないと言論の自由は守れないと。もしも、彼らの個人情報を漏えいまたは暴露する者がいたとしたら、彼らはどうするのだろう。言論の自由を守るために訴えると言わざるをえないだろう。
 その点、欧米ではそれらは守られているようである。OUR-EXISTENCE.NETの英語原文の著作者の何人かは医者どころか有名な教授らしいが、彼らの個人情報は守られているらしい。OUR-EXISTENCE.NETの日本語翻訳者、つまり、『わたしたちの生存ネット日本語訳』、『記憶をもつ動物の心理学(日本語訳)』、『生存と自由(日本語訳)』などを日本語に翻訳した人間たちも、個人情報が明かされないことを希望している。OUR-EXISTENCE.NETとこの法人の契約では、OUR-EXISTENCE.NETの英語原文の著作者たちの個人情報は厳守されなければならないが、各国語への翻訳者たちのそれらは個人の自由となっている。個人の自由と言うことは個人情報が明かされないことを希望する者の個人情報は保護されなければならないということだろう。ところで、筆者はOUR-EXISTENCE.NETとこの法人との契約を結んだ者の一人であり、この著作集の著作権代行者及びこの法人の翻訳権代行者の一人となっている。ということは、筆者らはOUR-EXISTENCE.NETの英語原文の著作者とそれらの翻訳者の個人情報が漏えいまたは暴露された場合、その漏えいまたは暴露した者を訴えなければならないということだろう。代理人ではなく原告が医者であれ誰であれ。そこまで来るとますます、著作者や翻訳者が医者か医者でないかはどうでもよいことと思われてくる。結局、医者か医者でないかはどうでもよいことで、自由権を擁護する一つの方法が見つかったと思う。

[参考文献]
わたしたちの生存ネット日本語訳
生存と自由(日本語訳)

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