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カウンセラーが見立てをする

 先日、あるカウンセラーと議論をした。カウンセラーは言った。「(精神障害の)見立ては精神科医がやることになっています」と。わたしは思わず大声を出してしまった。「そんなことはない。それは間違っている」と。大声を出して店の人にも申し訳ございませんでした。
 話の筋はこうである。大うつ病性障害・双極性障害・統合失調症などの主要な原因が神経系の器質的または機能的障害にある精神障害は精神科医が「診療」を行うべきであり、それ以外についてはカウンセラーが心理カウンセリングを行うべきであると。わたしは精神科医だが、それらについては同調する。というより、わたしもそう主張する。だが、前者と後者の鑑別を誰がするかの問題が残る。確かに、前者と後者の鑑別が精神科医によってなされるのが現状である。だが、その現状は間違っている。間違った現状は変えなければならない。そもそも、大うつ病性障害や双極性障害や統合失調症の診断は血液検査や頭部CTなどの客観的な方法によってなされるものではない。精神科医が診断するとしても面接によって診断する。DSM-W-TRやICD-10などのマニュアル的な診断基準もあるが、それを当てはめるのも面接による。そこでは、精神科医の経験と簡単に言えば勘がものを言う。そのような経験や勘はカウンセラーも培っている。さらに、カウンセラーには「心理テスト」という強力なツールがある。心理テストは統計学によって作成され処理される。とすれば、前者と後者の鑑別を精神科医が行わなければならない理由はない。
 前者と後者の鑑別を含む「見立て」をカウンセラーが行ってこなかったからカウンセラーは鑑別能力を欠くというのであれば、カウンセラーはその部分を研修すればよい。その部分の研修には多くのエネルギーを要しない。うつ病を区別するパニック障害を区別するなどを参照していただきたい。NPO法人わたしたちの生存ネットで2013年あたりからその部分を含む勉強会や講演会を行う予定である。一般の方々も参加していただきたい。
 ただ、以下の問題が残る。現状ではカウンセラーは診断書を出せず、診断書を出したとしても、企業や役所や裁判所では効力がない。それなら、臨床心理士を含むカウンセラーを国家資格化するである。

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