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山中氏のiPS細胞研究によるノーベル医学生理学賞受賞に触れる

○参考文献
『わたしたちの生存ネット』

まず、その重要な部分を引用する。
「科学者がなんらかのものを研究・開発をするとき、それらが全体破壊兵器の開発・保持・使用につながらず、自然を破壊せず、生物の大量破壊〜全体破壊に至る可能性をもたないことを自ら実証することも必要である。それが究極の科学である。また、その科学者が自らそのことを実証できないときは他の科学者が実証することも必要である。それが究極の共同研究である。それらのことを実証できないときはそれらの科学者・研究・開発・科学技術が抑制される必要がある。」
○本論
 iPS細胞は生命の一部と見なされる受精卵を使用しないことから倫理的問題をクリアしたとの主張または見解がある。だが、iPS細胞が研究室や医療の現場から生態系の中へ出て行ったとき、生物の進化を逸脱し生態系を破壊しわたしたち人間を含む生物の生存の危機を招く疑いが残る。
 冒頭の日本語訳の引用部分にあるとおり、医学者を含む科学者は、自身の研究成果が生物の進化を逸脱し生態系を破壊しわたしたち人間を含む生物の生存の危機を招く可能性がないことを自ら実証する必要がある。また、科学者が自ら生物の生存の危機を招かないことを実証できないときは、他の科学者がそのことを実証する必要がある。いずれにしても、科学は生物の生存の危機を招かないことを自ら実証する責任を負う。
 より具体的には、

iPS細胞が研究室や医療の現場を出て行ったとしても、生物の生存の危機を招かない、

または、

生物の生存の危機を招くとすれば研究室や医療の現場を出て行かせない具体的方法を挙げ、
その具体的方法によれば研究室や医療の現場を出て行かない、

ことを実証する必要がある。
 平成24年10月9日午前10時までの時点で山中氏はそれらのことに触れていない。その意味で(だけ)山中氏の言動を筆者は支持しない。もちろん他は支持する。今後、山中氏は少なくともそれらのことに触れ、特にノーベル賞受賞式でそれらのことに触れ、できれば、iPS細胞が生物の生存の危機を招かないことを前述のとおり具体的に実証し、または、他の科学者が実証し、それらのことが実証されないときは今後の研究・応用は停止されるべきである。
 さらに、科学者がそれらを実行したとしても、科学者以外の政治家・企業などが科学者の研究成果を歪曲・乱用する恐れがある。その恐れのほうが重大である。それらを止めるのはわたしたち一般市民に他ならない。

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