COPYRIGHT(C) 2002 KOBE-SANNOMIYA.COM ALL RIGHTS RESERVED, Link Free! トップページ 

粘着性・自己顕示性・支配性・破壊性…などは母親の愛情希薄…などから形成される(テキスト版)

 Microsoft PowerpointなどがインストールされたパソコンやスマートホンではPDF版をお読みください。PDF版が開かない場合は、以下をお読みください。テキストだけを抜き出しました。殺風景ですが、最も軽い作りになっています。携帯などでも読めます。

○NPO法人神戸三宮コム附属カウンセリングルーム緑
-わたしたちの思春期 室長
psychologist@kobe-sannomiya.com
精神科医(精神保健指定医)
○臨床心理士
参考文献
『記憶をもつ動物の心理学(日本語訳)』
『習性をもつ動物の心理学(日本語訳)』
『自我をもつ動物の心理学(日本語訳)』

NPO法人神戸三宮コムはそれらの翻訳権をOUR-EXISTENCE.NETから取得しています。

○粘着
人から離れない。人を離さない。人から愛されたい。
粘着は動物の赤ちゃんが生存するのに適した機能である。何故なら動物の赤ちゃんは親から離れては生きていけないから。
例えば、イヌは少し這えるようになると親に付きまとう。
○自己顕示
自己を見せびらかす。やたらと自己を語る。自慢話をする。過去の遍歴を語る。かっこうをつける。
自己顕示は動物の赤ちゃんが生存するのに適した機能である。何故なら動物の赤ちゃんは親の注意を引き親の世話を得なければ生きていけないから。
例えば、ネコの赤ちゃんは親を引きつけるような鳴き方をする。
○支配
どうでもよいようなことでも、何でも取り仕切ろうとする。ともかく、上に立とうとする。
支配は動物が生存するのに適した機能である。何故なら、同種の他の動物を支配したものは支配されたものより生き残れるから。
支配の反対の服従は、反抗などより生存に適する。服従も動物の生存に適した機能である。簡単に言えば、負けるが勝ち。長い物には巻かれろ。
動物の赤ちゃんは親を支配しようとする。
例えば、親に噛み付く。
親を支配することは動物の赤ちゃんが生存するのに適した機能である。
親に服従することも動物の赤ちゃんが生存するのに適した機能である。
○破壊
同種・他種の動物から攻撃されたり自然災害を受けたとき、動物は反撃・逃走・隠遁・回避…などする。それらは動物が生存するのに適した機能である。
だが、それらが適わないとき、動物はなんでもかんでも破壊しようとする。
例えば、窮鼠、猫を食む。ネコは「シャー」と言う。
破壊は多くのとき、動物が生存するのに適した機能である。
人間では破壊が同種のものに向かうことが他の動物より多い。例えば、戦争、暴力、虐待、DV、学校でのいじめ、職場でのいじめ、パワハラ、セクハラ…
また、人間では破壊が自己に及ぶことがある。例えば、自殺・自傷・リストカット・拒食・過食・薬物依存…
動物の赤ちゃんも親を破壊することがある。
例えば、人間の乳児は泣きわめいて親を蹴飛ばすことがある。
○習性
粘着・自己顕示・支配・破壊…などの機能には出現のしやすさがある。その出現のしやすさを「習性」「○○性」と呼ぶことにする。例えば、粘着性・自己顕示性・破壊性・支配性…など。
習性は動物の種によってだいたい決まっている。
だが、同種の動物の中で個体差がある。
人間はその個体差を問題とする。
例えば、あの人は荒い、穏やかだ、ネチネチしている、あっさりしている、でしゃばる、控え目だ…
○習性の原因
習性の原因、つまり、習性を形成するもの
○○遺伝子・遺伝子機能
○○遺伝子・遺伝子機能以外の自己の身体・身体機能
身体・身体機能は神経系・神経機能を含む。もっとも、身体・身体機能の大部分は遺伝子・遺伝子機能から形成される。
○○自然からの機能
飲食物、薬物…
○○異種の動物からの機能
ペット、家畜、害虫…
○○同種の他の動物からの機能
親から、友達から、保育士から、学校の先生から、恋人から、配偶者から
○○同種の群れからの機能
学校から、職場から、社会から、地方自治体から、国から、国際社会から
○○自己の機能
まさしく、粘着、破壊、支配、自己顕示…
機能が持続的・反復的に生じることによって機能の習性は大きくなる。
○○自己の他の習性
粘着性、破壊性、支配性、自己顕示性はともに大きく〜小さくなる。
○遺伝子・遺伝子機能
それらの習性の原因のうち、遺伝子・遺伝子機能が占める割合は人間が想像する以上に大きい。60%以上を占める。
次いで大きいのは、新生児・乳児・幼児期前半(三歳まで)の親、特に母親またはその代理人の機能である。
それらを合わせると、それらは習性の原因の90%以上を占める。
○いずれにしても、
わたしたちの多くは遺伝子・遺伝子機能と過ぎ去った乳幼児期をどうすることもできない。
残る数%をあがくのが人生である。
90%を背負い数%の坂道を登るのが人生である。
その数%が大きいか小さいか?
私は大きいと思う。思いたい。
○そのあがき方の一つとして
現在に、過ぎ去った乳幼児期の習性の形成に立ち返る方法がある。
しばらく、やってみましょう。
だが、断っておく。
それだけにはとどまらない。
○母親
「母親」という言葉は、実母だけでなく、父親、祖父母、兄姉、保育士、学校の先生…など、
世話・育児・虐待・放置…など、
どのような機能にせよ最も頻繁に 思春期以前の人間に機能した人間を指すことにする。
もっとも、多くの場合は実母である。
○乳幼児期
「乳幼児期」という言葉は胎生期・新生児期・乳児期・幼児期前半(三歳まで)を指すことにする。
ちなみに、「思春期」という言葉は、性的機能の飛躍的な発達が始まってから完了するまでを指すことにする。
平均的には小学校高学年から高校低学年まで。それはあくまでも平均的なものであり、性差、個体差がある。
「最近の子供は性的成熟が早い」などと言われるが、それには疑問がある。昔は性的機能の発達が隠されていたのではないか?
○愛情
「愛情」という言葉は、感情・欲求などの情動としての愛情だけでなく、愛情を伴う授乳・おむつ換え・世話・育児…などの実行も含むことにする。
○普通
「普通」という言葉は、善悪などを抜きにして、同種の動物の中で平均的であることを指すことにする。
例えば、普通、魚は泳ぎ、鳥は飛び、人間は愛情を求め、誰かを愛する。
○普通の愛情
母親の普通の愛情があれば、幼児は三歳頃に母親の愛情に辟易するようにして遊びや友達を求め、母親から離れ、粘着性・自己顕示性・支配性・破壊性…などが減退する。それが普通の人間の習性の移り行きである。
例えば、大人から見れば危なっかしいが、母親の手をふりほどいて、自分で物を作る、絵を描く、楽器を奏でる、ボールを蹴る、好きなおもちゃを選ぶ、一人で外に出る。やがては親が反対するような友達や彼or彼女を連れてくる。
○愛情希薄
それに対して、母親が愛情希薄であれば、
幼児はいつまでも母親の愛情を求め、母親から離れず、粘着性(粘着的習性)が減退せず形成される。
また、幼児はいつまでも母親に憎しみなどの感情を抱き母親を破壊し、破壊性が減退せず形成される。
支配性、自己顕示性…などについても同様。
○極端な例
虐待・放置…などは極端な例である。
それらは大部分で愛情希薄と重なる。
数の多さも考慮するとそれらより愛情希薄のほうが重大である。
母親の愛情過多・過干渉…なども重要である。だが、それらより愛情希薄が重要である。
また、それらも愛情希薄と重なる。
○自己中心性
一見したところの愛情が母親の自己中心的な情動や思考であることがある。
例えば、目的・方法・生き方、遊び方、絵の描き方、物の作り方…などの押し付け。
○そして、
母親が愛情希薄なとき、子供は幼児期後半(三歳から小学校に上がるまで)以降にも母親の愛情を求め続け、母親から離れない。
そして、粘着性・破壊性・支配性・自己顕示性…などは減退せず形成され、粘着・破壊・支配・自己顕示…などは母親以外の人間にも向かう。友達にも、同級生にも、学校の先生にも。やがて、職場の同僚・部下・上司にも、彼or彼女にも、夫or妻にも、子供ができれば子供たちにも…
そして、一生、続く。死ぬまで続く。
○そして、
生きづらい。苦痛である。
例えば、ネチネチした人間、取り仕切ろうとする人間、自慢話ばかりする人間は嫌われ、危険な人間は敬遠され、場合によっては拘束される。非行・犯罪などは極端な例である。また、いじめる側もいじめられる側も生きづらい。いわゆる「自己愛」は自己嫌悪と裏腹である。
○つまり、
人間の粘着性・破壊性・支配性・自己顕示性…などの原因の一つとして母親の愛情希薄がある。
かえすがえすも、愛情希薄は原因の一つに過ぎない。
かえすがえすも、母親の愛情希薄より、遺伝子・遺伝子機能のほうが大きい。
○だが、かえすがえすも
残りの数%をあがくのが人間である。
思春期以降の人間はそれらの習性に直面し粘着・破壊・支配・自己顕示…などの機能を停止する、つまり、やめる必要がある。
○だが、
思春期以前の人間は直面と停止をすることができない。
そこで、母親が自己の愛情希薄性、自己中心性…などに直面し愛情希薄、自己中心…などを停止する必要がある。
○また、
母親の粘着・自己顕示・支配・破壊・愛情希薄・自己中心…などを三歳以降の人間は疎んじるとともに模倣する。
母親のそれらの模倣は人間のそれらの習性の原因の一つである。もっとも、母親だけでなく、父親、兄弟、親戚、保育士、教師、同級生…などのそれらも模倣される。特に破壊は模倣される。特に、家庭内暴力、学校でのいじめにおいて。
また、ここでも、生後の模倣より、遺伝子・遺伝子機能のほうが大きい。
それらの遺伝子・遺伝子機能と模倣が「世代間伝播」などと呼ばれるものの実体である。♪まわるまわるよ 時代はまわる♪(中島みゆき作詞作曲「時代」から勝手に引用)
○だが、
何も難しいことを考える必要はない。
母親はごく普通の愛情をもって
ごく普通の世話・育児をすればよいだけ。
その意味ではこのような「母親ミーティング」をすること自体が間違っている。

ように見える。
○だが、
そもそも、普通とは何か? 普通の愛情とはなにか? 普通の世話・育児とは何か? 何が平均的なのか? もっと具体的に言わなければならない。具体的に何すればよいのか? 何をやめればよいのか?
普通でない者にとっては普通にすることが難しいのだ。何が普通か分からないのだ。
母親にしても子供にしても、普通でないからこうなったのだ。既にこうなった母親と子供をどうすればよいのか?
子供は大きくなってしまった。大きくなってしまった子供をどうすればよいのか?
大きくなってしまった子供はどうすればよいのか?
○だから、
考えましょう。
直面しましょう。
一人では無理そうだから。
一緒に考えましょう。
ディスカッションしましょう。
だから、母親ミーティングは必要なのだ。
○NPO法人神戸三宮コム附属カウンセリングルーム緑-わたしたちの思春期
神戸市中央区三宮町1-10-1神戸交通センタービル6階
078-327-1812

著作権代行:NPO法人神戸三宮コム 理事長 宇野心療内科クリニック 管理者 宇野正秀
トップページ COPYRIGHT(C) 2002 KOBE-SANNOMIYA.COM ALL RIGHTS RESERVED, Link Free!